90年代の終わり頃。
メロディック・ハードコア。通称メロコアというジャンルの音楽が大流行していた。 キャッチーで疾走感に溢れ、いかにも青春の歌だったメロコアは、ティーンエージャーのオレ達を虜にした。
訳もなく駆けだしたり、制服のまま海に飛び込んだり、世界のあらゆるコトに怒り、そして愛してくれと叫ぶ…そんな衝動は10代ならではのものだ。
青臭く、トゲだらけの、自己主張。
夜な夜な仲間とバカ騒ぎ、人知れず身体を鍛えまくり、昼前に起きて髪をおっ立てて登校。体育以外はエスケープ対象。下宿に逃げ込み麻雀三昧。
そんなふざけた日常を彩ったメロディック・ハードコア。
・Hi-STANDARD・HUSKING BEE・BRAHMAN・Kemuri・SOBUT・Potshot・Super Stupid・SNAIL RAMP・・・・あげればキリがない。
2000年代に突入し、オレ達が次第に大人への階段をのぼり始めるのと時を同じく、メロコア人気は終息していった。
そして、メロコアは長い冬の時代を経て、ここ何年かで、またジワジワと再燃の兆しをみせている。
レジェンド、ハイスタの復活だったり、あの頃のムーブメントに影響を受けたであろう若手の台頭がそれだ。
2018年。夏。37歳。最新のメロコアを求めることはないが、YouTubeであの頃のメロコアメドレーなんかを見つけると、ついつい再生ボタンをクリックしてしまう。 過ぎさりし青春時代を懐かしんでいるのか、それともまだ消えることのない『青臭く、トゲだらけの、自己主張』が疼いているのか・・・
メロディック・ハードコア。まるで、あの頃のオレ達を言い表してるような言葉だ。
そして今。40目前。転がり続けていいかげん丸くなった?すり減り続けて消えてなくなりそう?
たしかに転がり続けて、すり減り続けている今日現在。
でもまだオレは中指一本分くらいは尖っているよ。
なぁ、あんたはどうだ?
お互い色々あるよな。
知らないけど、わかってるよ。
で、あんたはどうだ?
SOBUT - OVERRIDE GENERATION
KEMURI - Ohichyo
HUSKING BEE - WALK
shinsuke