高校で出会ってから、福岡、東京と偶然にも進路を共にした友がいる。 13年前にオレが東京を離れてからは、平均すればおおよそオリンピック周期でしか会うことのないソイツは親友だ。
会えば、久々の気恥ずかしさや気詰まりもなく、瞬間で肌になじむ空気感に包まれる。 もちろん近々の共通の話題なんてのは少なく、互いの近況や情報交換もそこそこに気がつけば昔話に耽る毎回。 もう何十回と何百回と聞き語る、お決まりの思い出話は、新たな発見も発展もないが、相変わらず破天荒ですべらない。
何度だって腹の底から笑って、エピソードは尽きない。
目の前の親友は、紛れもなく30半ばの顔つきで、ヤツの目に映ってるオレもまた揺るぎなく中年だ。 それなりの立場や年相応の価値観や、そこに伴う息苦しさは語るまでもなく滲んでいる。 ブルースが染みついてきたアラウンドフォーティー。
過去を振りかえり酔いしれるのは、きっとカッコ悪い。 でも4年に1度のこの夜だけは、終わらない記憶の遊覧飛行。
心地よいテンポで流れてゆく場面、場面。 パンクロックな若者(ばかもの)は、永遠に笑ってる。
新たな門出にたつ親友。 そのことが心底嬉しい。
10代・20代前半のオレたちの人生は余白だらけで、だからこその自由があった。 37歳。隙間なくギチギチの路を歩んでいると勝手に思い込んでいたが、前に進む親友の姿と邂逅したあの頃の自分を見て、まだ余白は残されている。オレ達はまだまだ若い。
そう思った。
竹原ピストル / Forever Young
shinsuke