昨日の午後。自動車免許の更新のため、渡辺通りのサンセルコまで自転車を走らせた。
免許更新でサンセルコ。福岡市にお住いの方はピンとくると思うが、そこはゴールド免許センター。そう私、じつは優良運転者なのだ。
一見して社会不適合者のようなビジュアルだが、ルールもマナーも重んじるタイプ。
とうぜん現地まで乗りつけた自転車も駐輪所に。…が、有料駐輪所がパンパンに埋まっている。 少し探ると、一台分の空きを発見し、自転車を押し入れた。 しかし、通常 前輪にかかるはずのロックがかからない。何度か押しこんでみるが、ロックは閉じたままで食い込まない。 はて?どうしようか…?迷ったが辺りを見渡しても他に空きはなく、講習の時間もあるので、そのままロックのかからない駐輪台に乗せて、自前のカギで施錠し、その場を後にした。
整理券を取り、待合室で待機し、コールされて書類を貰い、書類を書いて、視力を測り、写真を撮られ。淡々と各セクションを流れ、詰め込まれた部屋でサクッと30分の講習を受けて、無事に更新 完了。
外に出ると雨が降っていた。
≪しばらく待ってたら止むかな。≫ん?あれ?オレのチャリがない? 濡れるのも気にとめず何度も駐輪所を確認する。周辺も見て回る。無い!
サンセルコ内に戻り警備員のおじさんに「すいません。駐めていた自転車がなくなったんですけど。」警備員は面倒くさそうな顔しながら、どこに駐めていたか聞いてきたので、目の前の有料駐輪所だと伝えると「あー、そこはうちの管轄じゃないから。」と立ち去りそうな雰囲気。 軽くイラっときたが、冷静に、ではどこの管轄で、どこに連絡すればいいのか聞くと、「市の管轄で、連絡先が精算機に貼ってある。」と言われたので、再び雨に打たれながら、精算機に貼ってある電話番号に発信。
自動音声を一頻り聞いて、電話番号の横に書かれたエリアナンバーを打ちこむと女性が出た。 経緯を順を追って説明すると、「近くの駐輪所を見てください。」と言われたので、もう確認した旨を伝えると、「では誰かがイタズラで持ち出したか、盗難にあわれたのかもしれないですね。」「あの、空いてる駐輪台がそこしかなくて、そしたらその台のカギがおかしかったんですけど。」 何時ごろ駐めたか聞かれたので答えると、管理システム上はその1時間前から施錠状態にあると言われた。 故障か誰かのイタズラかわからないが、やはりカギに異常があったのだ。 「あの、こういうのってどうなるんですか?」「定期的に業者がチェックしてまわります。」「・・・・。」
なんだか、納得いかずフラストレーションを抱えながら、最寄りの交番へと向かう。 道中、もしかしたら乗り捨てられた自転車があるかもと目を光らせながら歩いていると、宗教勧誘の欧米人の女性二人組が、聖書片手に近づいてきたが、よっぽどな形相をしてたんだろうガバッと道を開けてくれた。 怒れるモーゼと化したオレは人の波を退けながら10分ほど歩き、到着。
運悪く、交番内は出払っていたので、指定の番号に電話をかけると10分ほど待てば、パトロールから戻ってくると言われ待機。 戻ってきた警察に、また事情を一から説明すると、「それ、たぶん撤去されましたね!」「ほら、今日はばっちりサンセルコ周辺!」と資料を引っ張りだし指さしながら、なぜか意気揚々。 撤去されてた場合、那の津にある自転車保管所に行って2500円払えば戻ってきます。の説明に、腑に落ちないことを伝えると「う~ん、それは警察の管轄外なので、むこうで言ってみてください。」
交番の外で、那の津自転車保管所に電話してみると、おっとりしたおばさんが出た。
うんざりしながらも事の成り行きをまた一通り伝えると、そんなことは訪ねてませんとばかりに「防犯登録の番号はわかります?」聞かれたので、kacoに送ってもらっていた写メを開き伝えると、確かにこちらで保管しています。の回答。 「あの、一台しか空いてない駐輪台のカギが壊れていたので、やむなくだったんですけど・・・」「そうゆうのも見逃しませんもんねぇ。」と、少し誇らしげ。「いやいや、市が管轄の駐輪所の不具合で、不本意ながらの駐輪で、これまた市が管轄する業者に撤去されて、それを返してもらうのに、保管所まで行って2500円払わなきゃいけないんですか?」 「きちんと駐められてないのは撤去されますもんねぇ。」「ご意見がある場合は市に意見書を提出してくだい。」「とにかく返却には2500円かかります。」 「・・・・。」
オレは、こめかみに青筋の浮かべながらも、マルコ・ロッシさながら、、マイチャリをたずねて約3Km。 涙なし。感動なし。の、やさぐれロードを額に汗しながら爆進。
45分後。ようやく倉庫の立ち並ぶ埠頭の最深部にある保管所に着くと、6人程度のじいさん達が団欒している奥に無数の自転車があった。 一人のじいさんが近づいてきて、自転車の返却ですか?いつ撤去されましたか?と聞いてきたので、「さっきです。」素っ気なく答えながら、≪つぅか撤去したらその旨伝える張り紙か立て看板くらい出さんと撤去かパクられたんかわからんやろがい!≫ と内心憤慨。 言ってもよかったが、一度口火をきると積もり積もった怒りが止まりそうになかったので、押し殺した。 たぶん、いくら説明しようが、「ご意見は意見書で」がおちだ。
撤去の日付けが若い順に奥に保管しているらしく、けっこう歩く。 なぜに?
ようやく、マイチャリと再会。 自転車は私が運びますので と、じいさんが押し、オレはカギを持って入り口にある事務所を目指し来た道を引き返す。
せまい事務所のなかには、じいさん2人とおばさん2人がコンパクトに座っていた。 ここでも、じいさんの一人が対応してくれた。 おばさんの一人が電話対応に追われており、おそらくオレの電話に出たおばさんと同一だ。 必要書類に記入していると、否が応でも聞こえてくるおばさんのセリフがビックリするくらいオレの時と丸カブりで、電話先の人もオレと同じところに駐めていたんじゃと想像をめぐらす。
身分証明証を提示してくださいと言われ、更新したばかりのピカピカの免許証を出す。
これのためにオレは今こんなところにいる…。ちくしょう!
財布に戻す免許証の写真のオレは、懲役200年の顔つきだ。 まるでこういう事態になることを暗示していたかのような、過去最低の仏頂面である。
不服ながら2500円払い、保管所をでるとき、会釈の一つもせずにくっちゃべってるじいさん達を一瞥しながら、≪このろくすっぽ働いてない人たちの給料って税金か?つうか、駐輪所も撤去も市の管轄で、もしかしてコイツ等の食い扶持として、意図的にカギの不具合があったんじゃねぇ?≫なんて器の小さい陰謀説が浮かんだり・・・
天神の雑踏を走り抜けながらの家路。
マジで散々だわ。まるでグリッドロックみたいや。やっぱお役所仕事って嫌いやわ。マジで…マジで…マジで・・・不満が尽きることはなかった。
Gridlock'd (Theatrical Trailer)
2pac-life is a traffic jam (gridlock'd soundtrack)
shinsuke