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乾いた心臓

  • Shinsuke
  • 2017年5月14日
  • 読了時間: 1分

更新日:2020年8月1日


1年間、ずっと窓辺につりさげていた紫陽花のブーケは、自然とドライフラワーになった。 乾ききったがくの葉脈はまるで毛細血管のよう。 かりかりの茎は大動脈。

風に吹かれると、かさかさ鳴るそれを、人知れず『乾いた心臓』とよぶ。

乾いた心臓は、いくら雨に打たれても蘇らず、ただその身を湿らす。

ある夜、とくに理由もなく乾いた心臓にライターで火をつけた。 ぱちぱち音をたてて、じわじわ燃えはじめた乾いた心臓は、次の瞬間、ぼぉーっと勢いよく火柱をたてて一気に燃えた。

昇っていく白煙が暗闇にとけてゆくのを見ながら、自分のなかにある21グラムの存在を想った。

shinsuke

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