1998年。高3の春。
外があまりに良い陽気だったから、オレは友人と授業をサボって、学校傍の防波堤に日向ぼっこに行った。
あのとき。あの場所。 オレたちの上には蒼い空しかなく、オレたちの下には碧い海しかなく、オレたちの手元には半分カラの弁当箱と沸々とたぎる情熱があり、、つまり、青臭いオレたちを縛りつけるモノは何もなかった。
その身に余る自由にオレたちは笑い、、そして『青春の叫び』を水平線の彼方まで飛ばした。
それから18年後。36回目の春。
外があまりに良い陽気だったので、オレは一人で仕事の息抜きに、家の傍の防波堤に日向ぼっこに行った。
あの日のように、オレは仰向けに寝転んで、海風にふかれながら、波の音に耳を澄ました。
「で、今。お前はどうなん?」「自由?」
ゆっくりと開いた瞳に、太陽が燦々と降り注ぎ、一瞬でハレーションを起こして、白飛びした世界。
アイツが吸っていた、hi-liteの匂いが鼻先をかすめた。
shinsuke