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Shinsuke

嗚呼、蒼き日の赤っ恥

更新日:2020年8月1日


若さとは、青臭く、無知である。

それは誰しもが等しく同じ。

放課後の教室で、人知れず好きな子のリコーダーを吹いてみたい気持ちに身悶えた小学生。 制服のまま海に飛び込み、「ばっきゃろー!」世界の全てが不確かであることを大声で笑った高校生。 思い返せば、恥ずかしいことばかり。

大人になって「あれは若気の至りだった」と、態のいい決め台詞を持ちだし自己肯定。そして接点のある若者(ばかもの)の言動に、あの頃の自分をみて、、ある時は目を細めてエールを送り、またある時はもどかしさにクドクドと説教をたれるのだ。 今月は2度も友人の結婚式があった。 ひとつはカメラマンとして、もうひとつはゲストとして参列した。 その影響で、結婚式に因んだ『若気の至り』を思い出した。 あれは確か、26歳のころ。 同郷の友人の結婚式でのこと。 友人代表スピーチの大役を任されたオレは、依頼があった瞬間こそドキッとしたものの、それから式の前夜まですっかり忘れていて、日付けを跨いだあたりから焦って下書きに取り掛かった。 スピーチってのは、小粋なパンチラインとリズム感なのよねぇ。と、いっぱしのモットーで、熟考。 笑いあり感動ありの素敵なスピーチにしたかったのだ。。 いかんせん良い格好しいなのだ。 気づくと空が白み始めていた。 結局、箇条書きの状態で力尽き、、目覚めると、余裕のない時間帯。

バタバタ支度を整えていると、ご祝儀に包む予定の額を持ち合わせないことが発覚。

どうしようかとドロドロの脳みそを振り絞って出した対処が最低だった。 どんな経緯でうちにあったのか定かではないが商品券の束を発見し、数えてみると、ちょうど不足分を補填できる枚数。

これは神の思召しと、お札と重ねてご祝儀袋に包んだ。 金額を記す欄に〇萬円+商品券と書こうか迷ったが、ここは開けてビックリのサプライズ感が大事だろうと商品券の存在は伏せておいた。 ネクタイを握り玄関を飛びだし、ギリギリ間に合い、汗だくで讃美歌をうたい、何食わぬ顔で受付を済ませ、久々に再開した仲間たちとハレの日を楽しんだ。 肝心のスピーチはといえば、冒頭でかました小ボケに足を滑らせ、その後は箇条書きの用紙を手に、プログレよろしく難解なリズムで、深夜ノリ全開のB級フレーズを紡ぐ・・・脇の汗腺が壊れたんじゃないかと思うほど嫌な汗をかくという結果に終わった。

まさに『若気の至り』である。

shinsuke

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