惰性でスチャダラダラと過ごす日常。 気づけば、とっくに潰しがきかない年頃。
ひとつ歳をとる。ナニかをひとつ手に入れる。 それをひとつも落とすまいと、手のはらに爪を食い込ませて握りしめている。
その拳で叩きのめす誰か。正当防衛。先手必勝。運が良ければ連戦連勝。狙うは全階級制覇。
本当にそうか? チャンピオンのスウェットだっていづれ綻ぶ。
頑なに固結びの5本指を開け。肩の力を抜け。ちゃんと周りを見回せ。しっかり自分を見つめ直せ。
「ここからだ。いつだって思い立った時が一番早いスタートライン。」
10年前。夜中のカフェ、酔いどれの友人が言い放ったパンチライン。 時を超えて打ち抜く核心。
壊すんじゃなくて創っていく。 閉ざすんじゃなくて受け入れていく。
拳よりも掌。
子供のころから漠然と知っていた理。 反芻を繰り返してようやく消化する。やがて身になる。
100年前の人と同じ。1000年前の人と同じ。10000年前の人と同じ。人類創生の時からずっと同じ。 オレ達は≪ゆく河の流れ≫を泳ぐ。今日現在。
いつだって終わりから始まり。始まりは終わらない。
shinsuke