PUNK(パンクロック)の思想は、個人の自由と反体制的視点からくるもの。 オレがパンクから感じるのは『生への執着』である。 役立たずと罵られて、最低とひとに言われて、、いかにみっともなくとも、生きるという固い意志。絶対的な熱。
一方、FOLK(フォークソング)は、一聴すると(起源となる民謡のもつ)素朴で抒情的なメロディーが耳当たりよく、優しい。そして少し陰気。 派生したなかにはプロテストソングと呼ばれる社会的メッセージを歌うものもあり、パンクロックにも通ずるREBEL(反逆)の精神が宿っている。
どちらも1%の支配者がつくったシステムのなか99%の弱者の生活からうまれた音楽だ。だが、フォークに感じるのは、パンクのそれとは違って、『死への許容』。
フォークを聞いていると、徒然なるまま…あるいは、朴訥と積み上げる…それぞれの生活の柄。そこに漂う死の気配をうたっているような印象をうける。
人生は、死という逃れようのない終着駅へむかう。
人によっては急行、さらに特急でもある。が、大抵は、みんな鈍行列車。
「怖がることはない。」「そのうち着くから、のんびりいこう。」似たり寄ったりの景色。各駅で。
ガタゴト揺れる座席に身を任せ、柔らかな微睡み。
たまに自分の写真を見返すと、年代によってテイストが違う。
若いころの作風は、はっきりとパンクアティチュードが見て取れるし、それらは今もって青臭くも沸々とした熱を感じる。 その頃に比べると最近の写真は、大人しい。それをつまらなくなったと批評する人もいる。
感じ方は人の数だけあるので、「それはそれ」程度にしか思わないが、自分なりに過去との違いについて考えると、今は、自分が感じるフォークを見つけてシャッターをきっているのだと分析する。
それが今の、36歳のオレのテイスト。
shinsuke