『Smells Like Teen Spirit』 言わずもがな、Nirvanaの代表曲である。
高校3年の文化祭。仲間内で組んだバンドがステージに立った。 これもまた、言わずもがな、モテたい一心で。
そいつらのバンド名は忘れたが、やるからには、屁をすかしたような音は鳴らすまいと、授業をエスケープして練習に励んでいた。 とりあえず、関係ないオレもそれに同行した。
2年生の時の修学旅行で、おイタをやらかしたオレ達と学校側との対立は、それ以降深まる一方。(その話は機会があれば。ということで今回は措いとく。)
そのせいで、一時はステージに立つ許可が下りなかった。
そこを、以前のブログにも出てきた、恩師 巧先生が掛け合ってくれて、(授業をサボらない条件付きで)はれて、晴れ舞台に立てたのだった。
当日も、軽い悶着あったが、巧ちゃんの一声で、場は収まり、無事に下心ブラザーズ(仮)の演奏が始まった。 まさかの西城秀樹『YOUNG MAN』の口パクからスタート。会場を沸かせた。その次の選曲が、『Smells Like Teen Spirit』。
破茶滅茶な構成だが、大いに盛り上がった。
持ち時間は30分程度あったはずで、他にも何曲か演奏したはずだが、覚えていない。 もしかしたら、この2曲のループだったかも。。
その場で、写真だったかビデオだったかで、記録係を仰せつかっていたオレ。 その大切なフィルムは何処へ行ってしまったのか、さっぱりわからない。
その晩。学校すぐ傍のマキノ下宿で開かれた打上げは壮絶だった。 他校に通うメンツも参加した大所帯で、のっけからフルスロットルの狂宴。延々。
夜も深まり、誰かが掃除機とケンカを始めたあたりで、近隣から苦情が入り、場所を近くの田んぼ道の十字路に移し、、そのころには、みんな、バッチリ出来上がっていて、靴をなくしてるヤツや田んぼに落っこちて泥まみれのヤツ。チャリで暴走するヤツ。それに轢かれるヤツ。・・・ カオティックな状況だった。
その後、ドロドロのボロボロになりながら、高校に移動して、金網を越え、静寂の揺らめくプールに忍び込み、パンイチで次々とダイブする仲間たち。
そう言えば、小一時間ほど前に日付変更線を跨いで、誕生日を迎えたことを思い出したオレはパンツも脱ぎ捨て、「ハッピーバースデーー俺!!」と叫び、頭から飛び込んだ。 視界の悪さと酔いのせいで距離の感覚が掴めなかったのか、鼻がプールの底にグニッとぶつかり、鼻血が噴きだした。
両の鼻孔から鮮血を垂れ流しながら、みんなとじゃれ合っていると、懐中電灯の光りが射し、「だれかおるとかっ!?」おっさんの野太い声がして、オレ達は服を小脇に抱え、一目散に逃げた。 オレに至ってはフルチンで。である。
『Smells Like Teen Spirit』 10代の魂の匂い そんなカッコいい解釈をしがちなタイトルだが、、実際はティーンスピリットという女の子向けのシャンプーがあり、その匂いをさせるカート・コバーンが、当時の彼女から浮気の疑いをかれられたエピソードが曲名の由来だそうだ。(諸説あり)
フルチンで月夜を疾走するような愚行。今や、する筈もない。 言わずもがな。 でも、夜の金網と警備のおっさんをくぐり抜けて、素っ裸で鼻血をなびかせながら駆けた、あの感覚は、やったヤツにしかわからない。 それこそ、言わずもがな。だ。 きっと、ミシシッピ川のほとりで、ハックルベリー・フィンも「いいね!」を連打してる。
一点の曇りなく、最高の思い出。
思い返すと、今でも、鼻根のあたりで鉄臭い、、そして青くさい10代の魂の匂いが、蘇る。
Nirvana - Smells Like Teen Spirit
shinsuke