四知 というのをご存知でしょうか?
まだ、結婚前のことだったと思います。
GW時期。里帰りしていた際に、親父がいきなり、「四知を知っとるか?」と訊ねてきました。 相変わらず唐突だな…。と思いながら 知らん。 と答えると、、
「天知る、地知る、子知る、我知る。 ってやつ知らん?」
あー、なんか聞いたことあるかも。 オレが素っ気なく返すと、うんうん と頷き、「これは後漢書の楊震伝にある言葉でな・・・」と説明を始める親父。
その教訓の意味するところは、【誰も知らないと思っていても、隠し事というものはいつか必ずバレる】ということらしいです。 もっと言えば【人が見てる見てないで、自分の言動を安易に変えてはいけない】【常に自分が善しと思ったことのみを為すべきだ】とのこと。
なんとなく理解できるような…と、ふんふん 相づちを打ちながら聞いたのを覚えています。
人は誰しも、、隠しておきたい悪事や不正、失敗や失態といった負の記憶というやつがあるはずです。
それには程度があり・・・
口伝えやブログなんかで、誰かれ構わずに「ここだけの話…」と始める武勇伝まがいの、実際は取るに足らないB級代物や、、胸のうちに収めておくには、重く、信頼のおける相手に打ち明け、秘密裡にシェアする、羞恥心と罪悪感が絶妙に交ざり合うブレンド仕立て。
そして、頑として墓場まで持っていく覚悟の、本気の一品。
オレには、どの年代にフォーカスしても、負の記憶が沢山あります。 悪事や不正に限っていえば、悪いと知りながら、やったことが殆どです。
ときに人生には、なんで今?なんで自分だけ? という不幸が訪れたり、なにやってもうまくいかないスパイラルに陥ることがあります。
そんな時。これは、きっとあの日の代償だな。。 そう思うように心掛けています。
等価交換は言い過ぎかもしれませんが、万物はバランスだと信じています。
善行だけで生きていければ、それは素晴らしいことです。が、そんなことあり得ません。 だって、にんげんだもの。
善と悪。半分づつで、オレ。
四知から自分なりに紐解いた答え。それは、【悪いことするときは、腹をくくれ】【謝る姿勢、償う覚悟】です。
それにしても、あの日。 なぜ、親父は 四知 について説いたのか? 帰省の度に、モヒカンやパンチパーマ擬き…etc、と攻めた髪型の放蕩スタイル。 その時は、たしか(若き日の笑福亭鶴瓶よろしく)アフロヘアー。 そんな息子のトーキョーライフに一抹の不安をおぼえてのことだったのかも・・・。
shinsuke