しかし あれは一生の不覚
あの時 我を手に取ったのは ただの気紛れだったのだ
つい こやつは我らを見ることのできる者と思い込み 身をゆだねてしまったのが間違いよ
ずいぶんと適当に形づくりおって 我はこんなに不恰好ではないぞ
目をひん剥き 「芸術は爆発だ」と嘯いた あの男とは大違い
あやつは 我らが姿をはっきりと見ておった
それにくらべて はぁ 情けない
なにが 真実 か なにが 創造 か
はっ 笑わせおるわ
こやつに見えておるのは せいぜい手に触れることのできる範疇よ
そもそも 扱いがぞんざいなのだ
もっと しっかり崇めよ
なにせ我は 天地開墾をなし得た根源神 その張本人であり 天津神・国津神も 我を源流とするのであってからして 我こそがすべてのはじまりである その名も・・・
「ねぇ、今日。ヨガのあと うちでお茶会あるから。チビッコがいっぱい来るけん、そのへん片付けといて~。」
「ん~、はいよ。」
わっ おい こら なにを・・・
我は 天地開墾をなし得た根源神 その張・・・ちょっ ちょっと もっと丁寧に おい! おーいっ!!
shinsuke