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Shinsuke

夢で逢いましょう

更新日:2020年8月1日


東京にいた頃の夢をみました。 正確には東京にいた頃に関わりのあった人が夢の中に現れました。 その登場人物とは、オレが社会人としてのキャリアをスタートさせた、レンタルフォトスタジオの社長です。 面接で初見した時、≪いかにもな強面≫で異様にピリピリした威圧感を放つ社長とのマンツーマンの気まずさから…面接の緊張に上乗せでドキドキが止まらなかったのを憶えています。 なにを気に入ってもらえたのか、その場で「いつから来れるんだ!? ん?」とドスの利いた内定通知をいただき、、「卒業したら、すぐ来れます!」 の二つ返事で就職が決まりました。 約束どおり、、卒業式が終わると、卒業旅行や束の間のフリーダムを満喫する友人達と名残惜しさを共有する間もなく…準備らしい準備もせずにボストンバッグ一つ抱えて上京しました。 必ず一旗あげてやる! 溢れるヤル気と言い知れぬ不安を胸に、「今日からお世話になります! よろしくお願いしますっ!!」と会社の門をたたくと、「おぅ、よろしく。」「で、家はどの辺にしたんだ?」と聞かれたので「まだ、決めていませんっ!!」と元気いっぱい答えたら、こっぴどく怒られました。 それから1週間、本社の隣にある社長の機材室として借りてあるマンションの一室に寝泊まりしながら、家さがし&家財調達に奔走しました。 社長のこだわりで、家は大手じゃなく、町の昔ながらの不動産屋。家電は秋葉原で最安値まで値切り交渉。を実践しました。 いい経験でした。 そんな波乱の幕開けで始まった新社会人ライフは、案の定 社長に怒鳴られる日々でした。。 同じ九州出身という親近感?だったり、オレが怒られキャラだったりで・・・「おぃ、ぼっちゃん!オレとオマエじゃレベルじゃなくてラベルが違うんだよ!!」「宮崎から出てきた山猿にはわからんだろうな!!」‥など、更にここじゃ書けないような、今の時代なら大問題な発言のオンパレード。

パー時々グーで飛んでくる鉄拳。

みんなで怒られていたはずが、、なぜかオレだけ深夜まで居残りさせられたり・・・と あげればきりがない仕打ちの数々。。

オレが世間知らずなので、しょうがないと堪えていましたが…あまりに辛くて、本気で辞めようと思ったことが一度ありました。

仕事終わりに、スタッフ行きつけのラーメン屋で、先輩や同期の友達にその旨を伝えると、引き留めるでなく優しく肯定してくれて、、それで逆にもう少し頑張ろうと踏みとどまりました。 その日から1年経たずに、上の世代が全員卒業して、、年齢こそ一番下でしたが、入社した順番からチーフとなり、そこから約1年勤めました。 その間に8人いた同期はポツリポツリと辞めていき、自分が卒業するころには4人になっていました。 2年半。 言葉にすればあっという間ですが…振りかえるとあまりに濃密な時間の中で、ウソだろ? って経験を沢山積みました。 ●スモークマシーン焚き過ぎ火災報知器誤報事件 ~たちこめる煙、三輪明宏は動じず~ ●右手親指先端紛失事件 ~ヤル気とカッター刃の出し方はほどほどに~ ●社長200V感電事件 ~高電圧とオナラの関係性~ 機会があったら書くかもです。 前振りが長くなりましたが、そんな社会の厳しさ・理不尽さを教えてくれた、ある意味 恩人である社長が夢にあらわれました。 シチュエーションとしては、社長の撮影現場にアシスタントとして参加しており… (当時も社長の撮影が入った月のシフト決めは、誰が生贄となるのかスタッフ一同 固唾をのんで見守ったもんです。) 夢の中の社長はあの頃のままで、、オレはといえば今の年齢で… 場所は当スタジオではなく、東京なのか福岡なのか、架空のスタジオで… やはり 相も変わらず社長の怒号の標的となっていました。 とうぜん目覚めがよいハズもなく・・・ぐったり疲れて起床。。

実は社長が夢に登場するのは、これが初めてではなく…毎年毎年、だいたい半年ごとに現れます。 フォトグラファーとして独立した年なんかは月1のハイペースで出てきました。 まったく いい迷惑だと思う反面、この歳になって、こんなに怒鳴られることも無いので・・・知らず知らず積みあがった慢心を砕き、襟を正す良い機会かな とも。 夢見の悪さから、当時のことが鮮明によみがえり…ホントにおっかなくて、ビビッて、ムカついて、、辛かった記憶に胃がギュっとなります。

でも、それはそれでよかったと思っています。 おかげで今 オレは幸せです。 あの時代に限った話じゃありませんが、、過去に何かがほんの少し違っていたら、今が大きく変わっていたかもしれません。 スタジオを辞める間近に知り合った、売れっ子フォトグラファーに気に入られて、卒業後、フリーのロケアシスタントに転向した際に、頻繁に呼んでもらって刺激的な撮影に数多く携わることが出来ました。 同期のみんなとはいまだに繋がっていて、その中の一人は、一生付き合っていくだろう心底大切な親友です。 一度は写真から離れ、それでもやっぱりオレにはこの道だ と一念発起して、なんとか今日までやってこれているのも、少なからずあの頃のおかげもあると思います。 10余年の月日が流れ…風のうわさでは、あのおっかなかった社長もずいぶん白髪が増えて、すっかり丸くなったそうです。 健康で穏やかにすごされているのなら、言うことなしです。 嬉しいかぎりです。 ただ、、現実がどうであれ、オレにとってはいつまで経っても≪いかにもな強面≫で異様にピリピリした威圧感を放つ おっかない社長のままです。

そんな おっかない社長に、「よくやってるじゃないか」と褒めてもらえるように、これからも初心を忘れずに頑張っていこうと思います。 それではまた半年後 夢で逢いましょう

shinsuke

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