top of page
Shinsuke

まるで雑木林。そしてアルカロイドは枕元、

更新日:2020年8月1日


【図書館に行って来るよ と妻に告げて家を出たが 自然と足は山の方へ向いていた 】

と はじまる、ポエトリーリーデングとジャズピアノからなる美しい一曲があります。

その曲の中で、 【私にとって山は図書館そのものだ 目的あって見つけると言うよりは必然として出会うのだ】 という一節がとても印象的です。

一年前くらいから、本を読む回数が増えました。

別にインテリ気取ろうって訳もなく…自己啓発の為でもなく・・・

家のBDレコーダーの調子が悪くなり、レンタル映画やTV番組の録画が観れなくなってしまったことに端を発します。

もちろん修理や買換えも考えましたが、こんな機会でもなければ、読書の時間を設けることもないかも と、BDレコーダーの故障は一先ず置いて、読書を娯楽のひとつとしました。

古本屋で好きな作家の作品を購入することもありますが、やはり図書館の利便性はマチガいないです。

学生時代からの友人は、「おぃおぃ、オマエと図書館なんて1ミリもイメージわかんぞ!」とPCやスマホの画面に向かってツッコんでいることでしょう。

・・・わかります。その気持ち。。 笑

自分でもビックリですが、どうやら本の虫である親父の血が覚醒したようです。

エッセイや詩集を借りることもありますが、やはり目的からすると、必然的に小説が多くなります。

ここで、面白かった作品をいくつか紹介します。

◇40 翼ふたたび 石田衣良    

・・・4TEEN、6TEENときて流石にこれは如何なものかと茶化し半分で読んだら、あやうく号泣するところでした。

◇イッツ・オンリー・ロックンロール 東山彰良   

・・・ロック好きにはバチっとハマるかも。最高です! 

◇さよなら的レボリューション 再見阿良 東山彰良

・・・10代後半から20代前半の”イケてない自分から脱却したい”青年の行動・心情が共感できました。

◇余った傘はありません 鳥居みゆき

・・・見事に計算された不条理やブラックさが素晴らしい!オムニバス形式の各ストーリーが時間軸を交錯して絡んでいく感じも読みごたえありでした。

◇未刊行小説集 いとうせいこう

・・・文字通り未発表だった作品の短編集。六代目冥王右団次が語る、火星人の歌舞伎「襲来」を書いた『江戸宙灼熱繰言』は痛快でした。

◇四畳半王国見聞録 森見登美彦

・・・言葉のチョイス、言い回し、情景描写が独特で、、トリップ感がすごい!

とまあこんな感じです。

だいたいは、タイトルと表紙のデザインで惹かれるものを手に取り、2.3ページめくってみて掴みがOKだとお持ち帰りとなります。

枕元に置いて、寝る前に読むことが多いです。

少しづつ1週間くらいかけて読むこともあれば、2.3時間で読み終えることもあります。

最近では映画よりも面白く感じたり…

読み終えた時の余韻は映画を観おわった後のソレと似ていますが・・・映画よりも、自分の想像力が影響する分、、頭の中で自分好みにビジュアル化している気がします。

映像よりも受け手の想像力や解釈の影響が色濃い点でいうと、写真と共通するように思います。

写真を見てくれた方の想像力を刺激するような1枚を撮れるよう精進せねば!!

中学生の時分、保健室の掲示版に貼ってあった何某かのポスターを見て「ねーザツモクリンってなん?」と雑木林の読み方を間違えて、赤面したことがあるのですが・・・

今回、ブログを書くにあたって調べてみたら、《ざつぼくりん・ぞうきりん》とも読めることが判明しました。

・・・おしい。。

-雑木林とは、、種々雑多の雑木が混じって生える森林を意味する日本語であり、植物生態学上の語彙ではなく、高価な木材を得るのには役に立たない人工林を指すことがある。-

だそうです。

図書館の…さまざまなジャンルの書物がびっしりと本棚に並んでいる列々。その合間を独特の静寂がただよう様は、なんだか雑木林を思わせます。

人によっては、箸にも棒にもかからないモノが陳列されてるに過ぎず…また人によっては、手にしたソレから毒とも薬とも成り得るアルカロイドを見出すことがある・・・。

そんなふうに感じて、

【私にとって図書館は雑木林そのものだ 目的あって見つけると言うよりは必然として出会うのだ】

と、志人・スガダイローに最大級のリスペクトを払いながら、オマージュという名の ネタパク で締めくくります。

※このブログ中の 『雑木林』 どう読むかは皆さんの想像力・解釈におまかせします。

shinsuke

閲覧数:14回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2023

師走エクスプレス2022

激動の一年だった。 燻り続けていた夢に灯がともり世界が輝いた。 背中を任せることのできる新たな仲間ができた。 そんな仲間と進むシナリオのなかで、沢山の【はじめまして】と出会った。 7年ぶり、自分の子供ほど歳の離れた若者たちとの関りができた。...

この道の独行

日々、積もるストレス。 器の小さい自分はすぐに表面張力ギリギリまで張りつめ、些細なトラブルで怒りが零れる。 すべては自業自得だが、怒りは必ず孤独をよぶ。 孤独は別に一人を狙って襲ってくるわけじゃない。 家族がいても、、いるなりの様相で孤独はあるし、だからこそ余計にくっきりと...

bottom of page