40年。この世に生まれ落ちて今日まで、おおよそ人生の半分が過ぎた。
その中で得たものもあれば、失ったものは数知れず。
目一杯愛されて育った幼少期に芽生えた万能感=根拠のない自信は、10代20代30代の半ばと自分を支えてくれた。
残念ながら、それは無尽蔵ではなく、歳を重ねるごと砂時計みたいに、さらさらと流れ落ちていき、かわりに隙間を埋めたのは劣等感や自己嫌悪。
ネガティブな感情は遠慮なく心を抉るし、ある時から死は隣で優しく微笑むようになった。
得体のしれない恐怖に取り憑かれて眠れない夜。
気分の浮き沈みは、大波小波。
いまも、なんとか此処にいる。
そんな不安定な情緒で、道標となるのは表現だ。
自分が創り出すものが自身の道標というのは矛盾しているようにも思うが、自己表現をしている最中。胸の内は狭くも暗くもない。
形となったモノが高評価を得ようものなら、途端に空は一点の曇りなく紺碧だ。
根拠のない自信に満たされて好き放題やっていた頃よりも、痛みも恐怖も知ってなお、そこから飛ぶ。
それは一層、意味深く。ようやくここから本当の表現が始まるのだと思える。
今年。
この激動を生き抜くため。(やりたいことをやらない暇はない。)
少しばかりの勇気をもって動いた先で、得難い出会いがあった。
そのなかの一人。
地元である宮崎県北部の山間部にて循環型の里山づくりを目指し活動する菅原さん。
山師であり、昆虫ブリーダーであり、オートキャンプ場のオーナー…etc。
パンクイズアティチュードな面白い人だ。
以前、初めて作品を正式に販売したとブログに書いたが、その買い手が菅原さん。
既存の作品から一枚。そして撮りおろしで一枚。オーダーいただき、既存の分を納品した際に自慢のオオクワガタを撮影させてもらった。
既存の分が、自分的には宇宙を感じて撮影したものだったので、クワガタもどこかしらコズミックな要素が出るように撮りたく、電源のない撮影場所でもライティング出来るよう準備してアプローチした。
結果、光をうけたクワガタの表層は、想像以上に輝き、ギャラクシー。銀河を連想させた。
『銀河から銀河』
先日。無事納品。
菅原さんも気に入ってくれた様子で、本当に良かった。
それから4日ほど経ち、あの日あの場面で感じた満足感も高揚感も、過去のものとなり、心は次の道標を求めている。
やりたいことをやるには多少なりとも金が必要で、今月を乗り切るのもやっとの状況に焦り息苦しくなる。
家族を想えば、感謝と陳謝の繰り返しだ。
「神様。どうか自分に強さをください。」
洗濯物を干している午前10時。
痛みにつぶれそうな心中で、何度も呟く。
shinsuke
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