一年を365分割して、一日を24分割して、一時間を60分割して、更に一分を60分割して・・・日々。 朝起きて夜寝る。 一秒と一秒の間に間に。
これして、こうして、あれをする。
あれして、あがいて、これもする。 歳をとるほどに生活のルーチンは、深く刻まれる。 それは効率的に物事をこなすことができる一方で、マンネリという毒。 無味無臭の跡形は刻々と充満して、ある日。窒息する。 一昨日の夜。 布団に入り本を読んでいたら眠気がさしたので、読書灯を消そうかと体を起こしかけて、やめた。たいした理由はないが、その一連の動作がなんとなく嫌だった。閉じた目の向こうから直射する電球色が、どことなく陽だまりを連想させ、やがて胎児になったような安心感に包まれて、心地よい胸の高鳴りがあった。 ほんの些細なことで、何時何処からだって、生まれ変われる。 そう思った。 翌朝。 アラームもかけなかったのに、いつも通りの時間に目が覚めて、ベッドでひとり笑った。
shinsuke
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