昨年6月、幻のキノコ復元プロジェクトである「松葉掻き」を体験してから、早1年半。
(その時のブログ記事はこちら)
地元、生の松原で環境保全活動をされている『美の松露』さんの きのこ観察会へ参加してきました。
今回で10回目となる観察会は、九州大学のきのこ博士~大賀教授~と一緒に松林を歩きながら、松林に生育する沢山のキノコを採取、観察するイベントです。
そしてもちろん、幻のキノコ=ショウロ(松露)の発見が一番の目的!
確か一昨年に1つ、昨年もいくつかの松露が発見されたそう。
美の松露さんの地道な活動によって、幻のキノコが当たり前に見られるようになりつつあるのかもしれません。
とはいえ、まだまだ数は少なく、簡単に見つかるものではないみたい。。
仕事三昧でどこにも行けない3連休の中日、きのこ食わず嫌いな息子と参加。がんばるぞ~!
A班とB班に分かれて散策開始。
A班は大賀教授と、我々B班は美の松露代表の河口さんと東回りでスタート。のっけから林は大小様々なキノコがわんさか!
優しいおじいちゃんの隣をキープした息子は、「そこ、あるぞ~」「これこれ」と教えてもらいながらハイペースで収穫。大抵が食べられなさそうな見た目だけど、はたして。
一緒に参加した子ども会の一年生男子は、「きのこ、気持ち悪い」と言って触らず、ダンゴムシ採集。「このダンゴムシ、メスやん」と教えてくれるので聞くと、背中中央縦一列に斑点があるのはメスなんだとか。斑点なんてある?と思って見せてもらったら、確かに目立たなーい斑点が。驚き!ここに昆虫博士がいますよ!と楽しい気持ちになりながら、私もキョロキョロ。ショウロやーい。
途中でA班とすれ違う。と、なんとショウロを持ってる!!
えー!あるんだ!と がぜんやる気がでる私。
散策再開後、「ここは去年出た所だよ~」と河口さんに聞いて、うわぁ、なんか見つけられそう!と根拠のない自信が(笑)
落ち葉をかきわけて砂地を出してみる。。こっちはどうよ?。。ん?。んん?!
は、発っ見~!!
土の上に少しだけ出てる薄茶色の丸い形!
「ショウロかも~!」と言うと、どれどれと皆さん集まってきて、「うん、ショウロっぽいね!」「ショウロやね!」と盛り上がり~ 指で周りの土をどかすとぽろっと取れました。
まだ近くにいた きのこ博士に確認!
「これ、どうですか先生!」
お?!という表情で私の掘り出した小さいキノコを観察する大賀教授。少し割って中の様子と、香りも確認。。
「うん、ショウロだ。コメショウロ。」
やったー!
ね、ママやるっしょ、と息子にアピール。「ママ、すご~」と息子も感心してくれました。やったやった!
散策後、みんなが採集したキノコを分類、説明を聞きました。
一番多かったのはテングタケ。→毒
それからハツタケ。ツチグリ。→食用可
松ぼっくりに生える、マツカサタケ。→食用不可
写真中央左のヤマドリタケ、は、ポルチーニですって。→美味
ショウロも6つ!
wikiによると↓↓
未熟で内部がまだ純白色を保っているものを最上とし、これを俗にコメショウロ(米松露)と称する。薄い食塩水できれいに洗って砂粒などを除去した後、吸い物の実・塩焼き・茶碗蒸しの具などとして食用に供するのが一般的である。成熟とともに内部が黄褐色を帯びたものはムギショウロ(麦松露)と呼ばれ、食材としての評価はやや劣るとされる。さらに成熟が進んだものは弾力を失い、色調も黒褐色となり、一種の悪臭を発するために食用としては利用されない。
京都コンピュータ学院さんの記事にもショウロについて詳しく書いてあり、料理レシピもありました。
http://www.accumu.jp/back_numbers/vol3/
ということで、今回見つけた物は最も美味しいという「コメショウロ」でした!
見つけた人が持って帰っていいよ、と言われたので、少し迷ったのち持ち帰って食べてみました。めったにない事ですもんね!
はい、これが私が見つけたショウロ!高級料亭でもめったに食べられない、幻のキノコですよ!
親指の先くらいの大きさ。香りは、なんかいい香り!松の匂い。。松茸っぽい気がします。遠い記憶なので定かではないですが(汗)
石づきをうすーく落とし、スライスして。。
ちょっぴり!
ひとさじづつ、家族で回し飲み(笑)
ネギとか入れたら香り分からなそうで、結果、超シンプルな おすまし に。
おいしい!!
やっぱり松茸っぽい気がする~
松の香りと、歯ごたえを感じる食感。想像以上に美味しかったです!
(幻のキノコなのに、リポート力がなさすぎて申し訳ない。。)
きのこ嫌いの息子も「おいしい!」と感動していました。
興味のある方は、来年ぜひ~
※生の松原海岸松林は九州大学の演習林ですので、林道以外の立ち入り、許可のない採取は禁止されています。
白砂青松。
日本各地で見られる海岸の松林は、どれも人工物です。
海辺の集落を風害、塩害、飛砂などから守るために先人が作った林。
世界遺産にもなった三保の松原は、万葉集に和歌が詠まれているので、かれこれ1300年以上も前の人工物というわけです。
先人達の素晴らしい仕事に、私たちは今も支えられています。
この人工の松林は、集落を守るだけではなく、落ち葉は風呂や炊事に、春秋には松露を恵んでくれました。そして素晴らしい景色も!
だから松林は、松くい虫防除や松葉掻きなど、手が掛かります。人工物だから。松はここを選んで生えてきたのではないから。
橋や道路をメンテナンスするのと同じ。
自然の木だから、ほったらかしが、自然のままが一番と思っていたら違ったみたい。
これからも守ってほしい。だから、守りたい。
家から5分の海岸で、大切なものはすぐそばにある事、あらためて感じました。
kaco