子供の頃って、やみくもに死ぬことが怖かった。
死んだら、その後どうなる?
天国それとも地獄にいくんかな?生まれ変わったりするんかな? それとも、ただ無になる?そもそも無ってなに?
布団のなかで、辿り着きようのない答えを求めて自問に身悶えて、雁字搦めに縛られて、、もしこのまま眠りに落ちて、そのまま死んだらどーしよ。。
「あの娘にまだ好きって伝えてねぇし、訪れるはずの栄光の未来、その扉だって見えちゃいない…」「死にたくない。」「絶対死にたくない!」って目が冴えて。
壁掛けの般若の面が、常夜灯の明かりを受けて、ヌラっと光ってる。 居間の振り子時計がチクタク静寂を縫って、耳元までやってくる。 神棚から妙な気配を感じたり、天井の木目が人面を模ってるようでビクビク。
実家を出る15歳の春まで、そんな夜を何度も迎えた。
今では、死ぬことなんてちっとも怖くない。
痛いのはイヤだけど、死は怖くない。 苦しいのはイヤだけど、死は怖くない。
多分、死はそんなにイヤなもんじゃない。
最近はそう思える。
shinsuke